副賞の100万円はどんなアイデアに!? 「イチBizアワード」発表!!

2022.12.22

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地理空間情報を社会課題の解決に活用

スマホゲームやカーナビ、ハザードマップなど、さまざまな分野で「地理空間情報」が広く活用されるようになっている。内閣官房は、地理空間情報を使って生活をより豊かにする、社会課題を解決するアイデアを広く求めるため「イチBizアワード」を創設。応募の中から優れたアイデアを表彰するイチBizアワード表彰式を12月6日、「G空間EXPO2022」会場内の特設ステージにて開催した。

開会にあたり、内閣官房地理空間情報活用推進室長代理の吉田誠氏が登壇。「政府が進めるG空間社会(地理空間情報高度利用社会)の実現につながれば」とアワードへの期待を表した。続いて角川アスキー総合研究所取締役会長でイチBizアワード事務局長を務める福田正が390件に上った応募状況を報告し、受賞者の発表に移った。

まず読み上げられたのは、ノミネートの43提案。そして優秀賞が発表され、15組の受賞者が壇上に上がった。この中から各賞が決まることになる。

イチBizアワードでは、趣旨に賛同した協賛企業がそれぞれで受賞者を選ぶ企業特別賞が設けられている。選ばれたのは6組で、「未来のカーナビ」と「子育て特化型のマップ型プラットフォーム」は2社から選ばれるW受賞。表彰の間には衆議院議員で自民党G空間社会実装委員会委員長を務める新藤義孝氏が駆けつけ、「企業とのマッチングまで行い、アイデアを社会実装するお手伝いをするのがイチBizアワード」との話があった。そして各企業の講評では「ぜひ一緒に開発を」などビジネス化を見据えた声が聞かれ、今後アイデアが現実する可能性を強く感じさせた。

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衆議院議員で元総務大臣の新藤義孝氏。イチBizアワードの発案者でもある。

式は続いて、5つの部門賞の発表に移った。プレゼンターは、TBS系クイズ番組「東大王」でお馴染みの紀野紗良氏。「クイズ対策のために地図情報を活用していた」との裏話を披露し、会場を沸かせた。

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部門賞のプレゼンターを務めたのは、「東大王」でお馴染みの紀野紗良氏。

そして約2時間に及んだ表彰式もクライマックスを迎え、最優秀賞の発表。選ばれたのは、「宇宙ビッグデータを活用した土地評価エンジン『天地人コンパス』」だ。「この業界の発展を考えたときに、位置情報の有効性を多くの方に知っていただき、またそれだけでなくビジネスとのバランスを考慮していく必要がある。初回となるイチBizアワードの最優秀賞としてはそれを実現させている『天地人コンパス』を選定した」というのが選定理由だ。受賞者の株式会社天地人(代表:桜庭康人)の共同創業者・百束泰俊氏は「宇宙のデータと地上の情報を組み合わせ、社会の課題を解決できるようがんばりたい」と抱負を述べ、トロフィーと副賞の100万円を受け取った。

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審査員を代表して、右から齋藤精一氏、齊藤香氏、豊田正史氏が登壇。
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最優秀賞の株式会社天地人からは百束泰俊氏(共同創業者)が出席(中央)。
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「イチBizアワード」の受賞者と審査員、関係者と記念撮影。
2022年度「イチBizアワード」受賞者一覧

最後に内閣官房地理空間情報活用推進室参事官の奥田誠子氏が登壇し、「ここから生まれたアイデア、つながりがどう発展していくかが楽しみ」として表彰式は閉会となった。閉会後には参加者と協賛企業、関係者が交流を深めるネットワーキングミーティングが開かれ、早くもアイデアの実現に向けて第一歩が踏み出された。今後、イチBizアワードで生まれたアイデアがどのように社会を変えていくのか、注目していきたい。

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表彰式のあと、関係者が出席した「ネットワークミーティング」が開かれた。

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この記事は「週刊アスキー特別編集 週アス2023January」に掲載されている記事の転載です。