文章のなかの地理空間 - 地理空間情報科学(GIS)と自然言語処理(NLP)の融合
地理空間情報と自然言語処理チーム(代表者:大内 啓樹)
AI技術を駆使し、文章中の人物の地理的な「移動」を読み取り、その移動軌跡を実世界の地図上に接地(グラウンディング)するアイデアを提案する。
古来、人間は地球上のさまざまな場所を訪れて、その記憶を言葉で書き留めてきた。現在インターネット上には、数百万記事を超える旅行記・紀行文の蓄積がある。これらの資源をコンピュータで扱いやすいように構造化し、データベースとして運用できる形にすれば、多様なアプリケーションへの道が拓ける。
本アイデアの形として、「移動軌跡解析システムの開発」と「『位置-言語』統合解析基盤の構築」を目指す。
「地図」と「文章」が交差する研究領域が拡大。興味を持っていただける研究者・開発者の方が増え、2023年と2024年の言語処理学会年次大会にて、テーマセッション「地理空間情報と自然言語処理」を企画し大変盛況だった。
また、「地理空間と言語処理」Slackには、200名を超える参加者が集まり、今も勉強会を開催している。
これまで「文章」から地理的な「移動」を読み取る研究を推進していたが、並行して、これからは「移動」データを文章として言語化する研究も推進していきたい。
何かの役に立つものに直結しないアイデアでもいいと思います。私たちが持っている地理空間情報に対する認識を広げるようなアイデア、私たちの世界の見え方が変わるようなアイデアを、積極的に評価していただける貴重な機会だと思います。肩肘張らずに気軽に応募してみましょう。