地理空間情報を総合して新しい価値を創出
2022.11.29
提供・活用例
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スポーツを科学的に分析するクロスセンシング
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事業活動の効率化と新たな価値を創出するソリューション
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業界横断で地理空間情報ビジネスを支える「MD communet®」
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社会的使命を持って災害情報をボランティアで発信
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アーカイブ画像が切り拓く高精細航空写真データの可能性
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地番をはじめ、多重なレイヤー情報構造を持った「GEOSPACE」
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地理空間情報を総合して新しい価値を創出
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建築許可なく自在に”部屋”を用意できる「トレーラーハウス」
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釣り人垂涎の海底地形を提供する「釣りドコ」
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LiDARによる人流・交通観測が土地の有効活用をもたらす
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特殊用途に応えたカーナビを構築する「業務用カーナビSDK」
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地理空間情報のオープンデータによって社会に貢献する
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みえない交差点
リアムタイム性に優れたサービス
詳細な地理空間情報があったとしても、それをどう活用するかによってサービスは大きく左右される。マップボックス・ジャパンが提供する「Mapbox」は、世界中の地図をベースにした開発プラットフォームだ。大本の地理空間情報を構築するのではなく、それをどう活用するかのためのソリューションを提供している。
「地図データを使いながらデータのビジュアライゼーションを担ったり、ナビゲーションのAPI/SDKを提供したり、地点検索(ジオコーディング)を提供したりというのが我々のビジネスです。まだベータ版ですが、地図を利用した人がどういう風にどこをタップしたとか行動をトラッキングするような仕組みもあります」と同社のシニア・アカウント・マネージャーの寺田和弘氏は言う。
マップボックス・ジャパン自体は精細な地理空間情報をゼロから構築するのではなく、それをどう活用するかのソリューションを提供していく企業だ。たとえば、Mapboxを利用したヤフーの「雨雲レーダー」では、リアルタイム(5分更新)で各地域の降雨量の状態が表示される。メッシュ(対象地域)が非常に細かいので、処理するデータ量は非常に膨大だ。同じく以前紹介したMapboxを利用した朝日新聞社の「みえない交差点」でも、年間30万件以上の交通事故情報をリアルタイムでマッピングすることに対するハードルの高さは想像に難くない。”何か”がなければ、サービスがストップしても不思議ではない状態だろう。
「正直なところ、皆さんがGeoJSONからダイレクトにデータを取得してサービスを提供することはできると思います。ただ、表示がひどくカクカクしたり、最悪サービスが止まってしまったりして、サービスは継続できないでしょう。その点Mapboxは大容量データ処理のためのサーバーを用意しているので、そこにデータをアップロードしてもらえれば処理を行って、結果のタイルセットをクライアントに戻すので、大容量のデータをスムーズにレンダリングできます」と、同社シニア・アカウント・マネージャーの寺田和弘氏は語る。
その通りMapboxの利点は、処理能力の高さだ。
「たとえば我々のクライアントには、北米の不動産情報サイトZumper様もいらっしゃるのですが、月間700万アクティブユーザー、年間1億7800万の訪問数を持ち、常時1300万を超える最新の物件情報を提供しております。1回の表示件数に制限がかかったり、スクロールするたびに再検索することもなく、網羅性の高いデータを表示できるのが我々の強みです」と、寺田氏は言う。
最終的に最適解を得られたとしても、そこに時間がかかれば意味はない。地図上で何かを検索していて、すぐに結果が表示されないときのイライラは想像に難くないだろう。
専門性がなくても高度な表現が可能
Mapboxの強みは、導入のハードルが低いところにもある。
「開発を行う上で、学習コストや開発コストなどを軽減できるところにもメリットがあります。『Mapbox Studio』はローコードを実現するウェブベースのGUIインターフェースで、クリック操作でデータをアップロードしたり、デザインが可能なため、導入のハードルを下げるという特徴もあります」と寺田氏は説明する。
同社のサービスには、地理空間情報と、いわゆるコンテンツの融合という特徴もある。そのわかりやすいサンプルとして「ストーリーテリング」があり、地図表現と各種コンテンツが紐づいた見せ方を提供するもので、実際にサンプルを見てもらったほうが話は早いだろう。
一見複雑なストーリーテリングでも、サンプルコードを利用することで比較的簡単に導入できてしまう。Mapboxがサービスを構築するためのプラットフォームという点を加味すれば、大きな利点だろう。
チャレンジャーとして、参加者とともに
内閣官房は地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト「イチBizアワード」を今年から開催しており(応募はすでに終了)、2022年12月6日~7日に開催される「G空間EXPO2022」にて発表・表彰する予定だ。
同社のマーケティング・アドバイザーの髙山明日香氏は、「まずイチBizアワードの前に、10年以上続いているG空間EXPOに今年から我々もブース参加をしようと決めていました。そんな時に、G空間EXPOとは少し異なった、新しい息吹を吹き込むためにイチBizアワードは開催されるという説明を受けまして、地理空間情報ビジネスをいろいろな角度から検討できる、そのようなアワードなら参加する意義があると考えました。業界全体としても、より門戸を広げるというようにイチBizアワードは位置付けられますし、私たちが審査員として実際に参加できることの意義は深いと思っています。よりシャープに研ぎ澄まされる専門性のなかにまったく違う視点からビジネスを創造するチャレンジャーとお互いが刺激し合い、更なる未来の可能性へとつなげる一助ができると幸いです」と、イチBizアワードへの参加の経緯を語る。
Mapboxのサービスは従量課金制だ。とはいえ、膨大なクエリー(処理要求)がない限り、無料で試してみることができる。むしろ、クエリーが大きいのであれば、同社が展開している広告ビジネスとのシナジーが大きいだろう。
Mapboxのソリューションを通じて、新たなサービスを構築するというのも大いにアリだろう。
提供:マップボックス・ジャパン