地番をはじめ、多重なレイヤー情報構造を持った「GEOSPACE」

2022.11.29

高精細な道路の骨格データを提供

1975年、もともとNTTグループの設備管理をするために自社で電子地図を作り始めたNTTインフラネット(当時は研究所。2011年にNTT空間情報を設立して、2020年に現在のNTTインフラネットに統合)。NTT設備事業/無電柱化事業/空間マネジメント事業/スマート・インフラ事業の4分野を中心に事業を展開している。

「我々が提供しているデジタル地図『GEOSPACE』は、デジタル地図データの上にレイヤーとして電柱やマンホール、光ケーブルといったNTTのデータを重ねて利用するものです。現在は、特定の目標物や住所、建物、道路、地形、河川、座標など、80以上のレイヤーを重ね合わせて提供しています。概ね2500分の1の精度で全国を整備しており、クラウドとオンプレミスの双方に対応、また航空写真から制作しているため写真と地図のズレがなく、印刷を自由にできることも特徴です」と、NTTインフラネット Smart Infra推進部 SIビジネス部門長の高木洋一郎氏は、その特徴を語る。

画像
NTTインフラネット Smart Infra推進部 SIビジネス部門長の高木洋一郎氏

また地下埋設物を高精度に管理するため500分の1精度の地図も用意。わかりやすく言うと、3次元情報を持った「道路の骨格データ」のようなものも提供している。

日本独自の「地番」を加味したソリューション

そして、GEOSPACEのもうひとつの強みは、「地番」とのリレーションだ。

高木氏は、「不動産や金融業界の取引というのは地番に基づいているので、住居表示番号は使いません。そこをリレーションできるようにデータベース化しています。2500分の1の地図に地番と住居表示番号が紐づいたデータを用意しているという点にも特徴があります」と説明する。

日本独自の地番を処理することは、不動産や金融業界ではマスト。たとえば、「オンライン登記のサービスを提供しているベンダーさんがいるのですが、そこで我々のシステムを利用していただいています。いちいち法務局へ行くのは大変なので、オンラインで登記をできるような仕組みを開発して、我々のシステムを使って地番と組み合わせていらっしゃいます」と、高木氏は活用例を述べる。

NTTインフラネットでは、これらの技術をベースとして、スマートインフラ事業への展開も始めている。高精度な地理情報や地下施設のインフラ情報を用いて工事の効率化や行政手続きなどを簡略化する。各種APIによってデータ連係をすることで、地理空間情報を有機的に結びつけていきたいという考えだ。

画像
クライアントは非常に幅広く、自治体や警察、消防、建築や金融、不動産、インフラなど多岐にわたる。地番の利用が同社の強みだ

想像を超えたアイデアに期待

内閣官房は地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト「イチBizアワード」を今年から開催しており(応募はすでに終了)、2022年12月6日~7日に開催される「G空間EXPO2022」にて発表・表彰する予定だ。

高木氏は「地図に関するコンテンツもいろいろあると思います。そこで、イチBizアワードに対しては、我々が想像し得ないような使い方とか何か面白いアイデアが出てこないかなという期待感があります」とコメントを寄せてくれた。

提供:NTTインフラネット

関連サイト