社会的使命を持って災害情報をボランティアで発信
2022.12.1
提供・活用例
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スポーツを科学的に分析するクロスセンシング
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事業活動の効率化と新たな価値を創出するソリューション
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業界横断で地理空間情報ビジネスを支える「MD communet®」
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社会的使命を持って災害情報をボランティアで発信
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アーカイブ画像が切り拓く高精細航空写真データの可能性
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地番をはじめ、多重なレイヤー情報構造を持った「GEOSPACE」
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地理空間情報を総合して新しい価値を創出
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建築許可なく自在に”部屋”を用意できる「トレーラーハウス」
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釣り人垂涎の海底地形を提供する「釣りドコ」
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LiDARによる人流・交通観測が土地の有効活用をもたらす
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特殊用途に応えたカーナビを構築する「業務用カーナビSDK」
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地理空間情報のオープンデータによって社会に貢献する
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みえない交差点
CSRとして、災害情報を積極的に共有
パスコは以前VDP事業の記事で紹介したように、同社はCSRとして何かあった時に地理情報を積極的に提供している。
「そもそも弊社は、いろいろな機材を使ってさまざまなデータを記録しています。それは、災害が発生したときにはいち早く状況を把握できる手段となります。ここはビジネスというよりも、社会的な使命という意味で、国・自治体の災害対策本部にデータを届けるようにしています」と、パスコ 経営戦略本部 災害対策部 部長の下村博之氏は語る。
2011年の東日本大震災が発生した頃は、撮影した画像をわざわざ印刷して災害対策本部に届けていたというが、現在ではデジタルデータを届けることですべてがクリアになったという。また、行政だけでなく、原因追及のためにさまざまな人々に閲覧してもらえるように、災害時の撮影映像はウェブサイトを通じて広く一般に公開しているという。
「CSRの一環として、災害時に被災地に飛んでデータを取得するということは2000年頃からやっています。費用は度外視です。最近は7~9月は雨が多くなっていますが、ちょっと前までは10~11月にも結構台風が来ていたんですよね。ですから、最近は夏場に大雨災害が起こることが多い印象です」と、下村氏は説明する。
価値のある情報を適切に配布
実際、パスコはいわゆる「大規模災害」が発生して被害が出た地域に対しては航空機を飛ばして、状況把握のためのデータを提供している。記憶に新しいところでは、2022年9月に静岡県で記録的な豪雨となった台風15号の被害や、東北地方を中心に北陸や近畿地方で甚大な被害をもたらした2022年8月初旬の大雨災害のときも、航空写真や地球観測衛星の写真などを公開している。
「災害が起こると報道会社もヘリを飛ばして撮影していますが、それはあくまでもニュース用の映像を撮るためです。我々は、現状の被害を把握し応急対策に役立てたいという別の意図があります。行政でもドローンで撮影するようになっていますが、我々のように広域を撮影するうデータは災害の全容把握に役立つと思っています」と下村氏。
ビジネスはもちろん最重要だが、こういった取り組みによって、いろいろと判明することもある。公共性が非常に高い地理空間情報だけに、情報の共有という点も大きなポイントのひとつだろう。
イチBizアワードを通じて新たな取り組みを模索
内閣官房は地理空間情報を活用したビジネスアイデアコンテスト「イチBizアワード」を今年から開催しており(応募はすでに終了)、2022年12月6日~7日に開催される「G空間EXPO2022」にて発表・表彰する予定だ。
パスコがCSR活動の一環として提供している被災地の公開データは大変貴重なものだ。イチBizアワードへの応募の中に、こうした公開情報を活用したアイデアが登場することに期待したい。
提供:パスコ